大検に替わる高認という制度

高卒の資格ではない

高認に合格しても履歴書の学歴に高卒とは記載できません。

高卒認定はあくまで高等学校を卒業したのと同等の学力を有すると認定するため の試験ですので、高校を卒業した扱いにはなれません。 大学を受験するに値する、それだけですから学歴は高卒にはなれません。 中学校を卒業して高校に入学、秋には一身上の都合で中退した後に高卒認定に 合格したとしても、履歴書に書き込める最終学歴は中学卒業となります。 高認に合格しただけで「ひゃっほうこれで高卒だぜ、中卒の最終学歴とはもう おさらばさ。明日からはメガネかけてイメチェンしようかな」と浮かれてしまう 人もいるそうですが、その解釈は間違っており現時点では中卒のままです。 大学受験を成功させて卒業して初めて、最終学歴が中卒ではなくなるのです。 高卒と同じくらいの学力があっても高校を卒業したことにはならない、これは 当然なのですが舞い上がってしまうとその判断ができなくなるのでしょうが、 とても大切なことなので間違えないようにして下さい。 うっかり調子に乗って履歴書に高校卒業と記載してしまうと、経歴を偽装して いるとみなされる場合もありますので注意しなければなりません。 政治家みたいでかっこいいじゃん、などとは思わずに、素直にありのままの自分 を知ってもらわなければ雇用された後に後悔するかもしれません。 では具体的にはどのような履歴書になるのでしょうか。 普通に高校を卒業した場合は、昭和○○年××月△△△高等学校卒業、のように なりますが、中退しているのならこの部分が昭和○○年××月△△△高等学校 中途退学、となります。 退学した理由は書かなくてもいいですが、中途退学とはっきり記載しなければ ならないので偽ってはいけません。 公認を取得しているのならその下に、昭和○○年××月△△△高等学校卒業程度 認定試験合格、と並ぶことになります。 これがあっても高校を退学した事実は消えませんし、卒業したことに置き換わる こともないので、「昭和○○年××月△△△高等学校中途退学」の部分は不変 ということを肝に銘じておきましょう。 そして最終学歴と呼べるのは、高等学校中途退学の前にある中学校卒業なので、 扱いはまだ中卒のままです。 高認に合格して大学や短大に進学後、無事に卒業までこぎつけてようやく中卒の 呪縛から逃れることができるのです。 もしも大学に入学しても中途退学してしまったのなら、履歴書にはその事実を記載 することになりやはり最終学歴は中卒のままとなります。 しかし面白いことに高認取得後に大学を卒業したのなら、中卒から高卒を飛び越して 大卒の学歴を手に入れることができてしまいます。 高校卒業程度の学力を認めるだけのもの、なんとなく理解はしていてもついつい 高卒と同じものだと思ってしまいがちなので、会話の中や履歴書への記載で混同 されることが多いようですから面接などでは特に気をつけましょう。 面接官はこのシステムを理解していますから、本人の話す内容が間違っていると 違和感を感じるでしょうし、「この子は高卒認定を正しく理解していないのかも しれないな、自分のことなのにそんなんでいいのか。残念だけど落としましょう」 となるかもしれません。 自分の心の中で「高認=高卒」と思い込むのは勝手ですが、大事な場面で自分 ルールを押し通すのは避けなければならないでしょう。 高等学校卒業程度認定試験に合格しただけでは最終学歴に変化はない、可能性は 増えたけどそれだけということです。 だいたい一体何を卒業したというのだろう、と冷静になって考えれば分かること なので、舞い上がるのも程ほどにしましょうね。