大検に替わる高認という制度

大検との違い

高認と大検は得られるものは同じですが過程はやや違います。

手に入れた後にどこに進むかは大検も高認も似たようなものですが、手に入れる 方法は両者全く同じではありません。 大検を受けた人ならご存知でしょうが、試験科目は9科目あったはずです。 9つのジャンルの知識を習得して臨む、それが大検だったのですが、高認では 8科目になったので少し楽になったといえるでしょう。 少なくなったといってもたったの約1割なのでそんなにありがたくない感じも しますが、当人にとってはきっと大きな違いだと思います。 大検も受けたことがあるし高認もあるよ、という人は貴重な存在であまりいない でしょうから実際に減った負担がどれほどなのかはわかりかねますが、誤差では 済まされないレベルの違いがあると思います。 減ったのは大検では選択科目だった簿記と保健で、このどちらかを選んで勉強 しなければならなかったのが、高認では両方とも学ぶ必要がなくなりました。 科目も変更されており、大検では家庭の科目が必修でしたがそれがなくなり、 高認では英語が必修科目となりました。 英語が必須となったのは時代に合わせての変更でしょうが、家庭をなくしたのは それでいいのか少し心配になってしまいます。 昔に比べて日本国内にも外国人の姿は多くなりましたし、彼らの多くは英語が ペラペラでも日本語はいまいちです。 中には英語もできないし日本語もしゃべれない、という人もいますが長く日本で 生活している人や、母国以外での生活に慣れている人はどちらかはそこそこ通用 するレベルに達しているでしょう。 なのでこれからのグローバル社会で生き抜くためには英語を覚えていたほうが いいことは明白ですし、必修科目に抜擢されるほど出世したのです。 アルバイトの面接で英語力を試されることはあまりないですしほとんどの業種 でなら日本語さえ使いこなせれば困ることもありませんが、大学を出て就職活動 をするのなら面接で英語力を試される場合もあるでしょう。 海外との取引がある企業に就職したい、海外に展開している飲食店チェーンに 入社して和食を広めたい、そんな夢があるのなら英語はマスターしていた方が 人事部の方にも好印象で採用されやすくなります。 そうでなくても英語は現代社会で使用される機会も多くなってきたので、高認の 必修科目になるのも当然のことだったのでしょう。 あとは対象となる受験者も少し変更があります。 大検を受けられた生徒は定時制や通信制の生徒に限定されており、全日制の高校 に通っている生徒は大検を受検する資格はありませんでした。 ですが高認ではその全ての生徒が挑戦できるようになったので、大検時代よりも 多くの若者が対象者になるのです。 もともと大検とは働いている若者でも大学生になれるチャンスを与えるために 設けられた制度ですが、今の高認は高校を中退してしまった若者、不登校により 進学できなかった者を救済するために姿を変えたのです。 高校に入学しても夏休みまですら登校し続けることができず、1学期の間に中退 してフリーターになって生計を立てるという青少年は少なくありません。 彼らの多くはきっと後悔をしていますし、なんとか大学に進学して将来を見据えた 就職活動をしたいと願っていますが、そこで役立つのが高卒認定なのです。 高校中退では一流企業の面接を受けようとしても、書類選考で落とされてしまい 面接会場にすらたどり着くのは困難であります。 アルバイトなら探せばいくらでも見つかりますが、先の事を考えると収入的にも 不安がありますしお小遣いもそんなに多くは使えません。 髪の毛が伸びたら美容院に行く、脱毛したくなったらエステに行く、そんなこと すらお財布を確認しながらの余裕のない生活もつらいでしょうし、高認を受けて 大卒の肩書きを手に入れたがる若者は多いのです。