大検に替わる高認という制度

高認とは

高校を卒業した人よりも退学した人の方が詳しそうです。

高等学校卒業程度認定試験のことを高認、もしくは高卒認定といいますが、人に よってはいまだに大検と表現することもあります。 大検とは大学入学資格検定のことで、現在ではその制度は廃止されているので もうありませんが、それに替わるものとして高認は生まれました。 どのようなものかというと、高校を卒業した者と同等の学力を有するかどうかを 調べるための検定で、これに合格すれば高卒並みの頭脳と認められるので、 たとえ高等学校を中退して最終学歴が中卒になっている人でも大学受験を受ける ことができる素敵な制度です。 高校に3年間通って卒業するのは簡単なことではなく、毎年数%の生徒は途中で 退学してしまうのですが、そうなると大学に進学することはできません。 大学の入試を受けるための資格が得られないからで、そのままでは次に入学できる 学校はもう一度高等学校か高等専門学校、もしくは声優養成学校くらいしかなく、 大学にも短大にも進むことはできないのです。 履歴書に書ける最終学歴が中学校卒業となるので、その後の就職活動でも不利に なりアルバイトの面接を受けまくったりするはめになりますが、それも高校を 中退したからしょうがないと思うしかありません。 高校を卒業していれば普通に就職活動をしたりプロの声優を目指すことも無理 ではないのですが、中退者には世間の風当たりは厳しくその後の人生で辛い道 を歩むことになるのです。 そんな人を救えるのが高認で、高等学校を卒業していなくても大学の入試を受ける 道を開いてくれる可能性を持っています。 高校卒業と同じものだと思っている人もいますが両者は別物で、卒業したとは みなされませんので高認に合格しても最終学歴は中卒になります。 ですがその後大学受験してそのままトントン拍子に卒業すれば、大卒という学歴 を手に入れることができますから就職で不利になる回数も減るでしょう。 さすがに高校に3年間通ったのと同じ扱いをしてはサービスしすぎですし、そんな 簡単に高卒を名乗れるようなら誰も高校には行かなくなってしまいます。 あくまで大学受験をするためのものだと考えましょう。 高卒者と同じ位の学力があると認定されたので大学の入試を受けられますよ、 というものなので今は無き大検とほぼ同じ効力を持っています。 平成16年に大検は姿を消して高認という制度が始まったのですが、名称が違う だけで中身は両者はだいたい同じです。 なので今でも高認のことを大検と呼んでしまう人も多いのですが、わざわざ 「違いますよ高認です、間違えないで下さい」と口を挟むほどのことではない ので聞き流すのがマナーでしょう。 この制度に挑戦される人は毎年のようにおり、年間およそ3万人の若者が認定 されようと頑張っているのですが、誰にでも簡単にクリアできるわけではなく 30~50%の人が見事合格しているに過ぎません。 残りの約60%は学力不足とされ、もう1年間頑張ってアルバイトをしながら 勉強して翌年再チャレンジをするか、諦めてアルバイトに精を出すことになります。 認定された方の人は半分近くが大学や短大に進学しますので、夢に向かって前進する 役には立っているのは間違いないでしょう。 高校を中退してももう一度入学してやり直すことはできますが、同級生がみんな 年下ではクラスには馴染み難いですしリカバリーするのはけっこう大変です。 ですが高卒認定という制度を使えば、そんなに大変な思いをせずともその後の就職 や進学で挽回するチャンスをゲットできるのです。 頑張る人を応援する、そういう意味もあるのでこの認定制度を上手に利用して ばら色の人生を送れるようになりましょう。